検査
状況に応じて、腹部レントゲンや、腹部超音波検査を行います。
「便秘」とは、なんらかの原因で排便回数や便量が減少した状態であり、小児では排便時の肛門の痛みで泣いたり、いきんでも排便できない状態です。便秘には、原因が明らかな器質性便秘と、原因が明らかでない機能性便秘にわかれます。ここでは、便秘の9割以上をしめる、慢性で原因が明らかでない慢性機能性便秘症について述べます。
以下の項目のうち、少なくとも2つが1か月以上あるときに便秘と診断します。
排便が週2回以下、あるいは硬くて痛みを伴う排便で、かつ上記の診断基準の少なくとも1つがある場合、便秘と診断されます。
※4歳以上の小児にも、4歳未満と似た、1週間に2回以下のトイレでの排便などの6項目がありますが、ここでは省略します。
状況に応じて、腹部レントゲンや、腹部超音波検査を行います。
慢性便秘症の治療は、便秘でない状態が続くように行います。「便秘でない状態」とは、苦痛を伴わない排便が週に3回以上認められ、遺糞(便をもらす)などの便秘症に伴う症状がなく、お子様やご家族のQOL(生活の質)が損なわれていない状態が続くことをいいます。
薬物治療:まず、便塞栓(便が詰まっている状態)であれば、便塊を除去する必要があります。そのためには、直腸からの坐薬やグリセリン浣腸、必要に応じて緩下剤(便を出やすくする薬)の内服を行います。便の詰まりが改善されたあとは、緩下剤の内服を続けます。
生活習慣の改善:朝食後、トイレに行く時間を確保することが大切です。そして、食物繊維豊富な食事をとるようにします。また,便意を感じても排便を我慢することが多いと便秘が悪化しやすいので、特に学童では学校で便意を感じたら、我慢せずにトイレに行くことが大切です。